
グラフィック、音楽、ゲームシステム、三拍子揃ったRPG
大人も子供も、おねーさんも。のキャッチコピーで知られる「MOTHER2 ギーグの逆襲」は、MOTHERから5年後に発売された2作目でスーファミ時代に金字塔を打ち立てた神ゲーの1つ。
映画などでは続編が初代の人気を上回ることはめったにありませんが、「MOTHER2 ギーグの逆襲」はシリーズで最も人気が出たゲームタイトルとなっています。とにかくいつプレイしても色褪せることのないクオリティなので納得です。
地球侵略を阻止する少年たちのストーリー
イーグルランドの地方都市、オネット。その北のはずれにある家では、少年が家族と暮らしていた。そして少年の家の隣には、同年代の少年ポーキー・ミンチとその家族が住んでいた。
ある日の夜、少年の家の裏山に隕石が落下した。それから夜が更けた頃、少年の家にポーキーが現れ、隕石を見に行ったきり行方不明になった弟・ピッキーの捜索を少年に依頼した。少年はポーキーと共に裏山へ向かい、隕石の落下地点にいたピッキーを発見、一同が家に帰ろうとした時、突然、隕石の中からカブトムシのような生き物が飛び出してきた。
その生き物は「ブンブーン」と名乗り、10年後の未来から来たと語った。ブンブーンによると、未来の世界は、地球征服を目論む宇宙人「ギーグ」の侵略により惨憺たる状況になっているという。そこでブンブーンは、少年こそが地球の危機を救う存在なのだと訴え、少年に地球の命運を託した。
帰路の途中、未来からやってきた刺客「スターマンのむすこ」に襲われるもこれを撃退した一行は、無事ポーキーの家に到着した。ポーキーとピッキーは夜中に外を出歩いた罰として父親からお仕置きを受ける羽目になったが、そのさなか、家の中を飛び回っていたブンブーンはポーキーの母親の目に留まり、次の瞬間、叩き落とされてしまう。朦朧とする意識の中、ブンブーンは少年に対して今後進むべき道と成すべき使命を伝え、そのまま息絶える。
そして翌朝、少年は家族に別れを告げ、地球の未来のために冒険の旅へ出発した。
前作がアメリカのスタンド・バイ・ミーやグーニーズのようなノスタルジックな物語になっているのとは対象的に、「MOTHER2 ギーグの逆襲」ではファンタジックかつユニーク、そして王道な内容となっています。
音楽を大事にするコンセプト
「MOTHER2 ギーグの逆襲」では、音楽というものに重点を置いてゲームが制作されています。前作のMOTHERでも音楽にとても力を入れているのがわかり、その美しい音楽は多くの人の心をつかみました。
プラットフォームがスーパーファミコンへと移り、使うことができる音源が増えたということもあり、「MOTHER2 ギーグの逆襲」では深いサウンドになっていて、なおかつ遊び心もある楽曲が豊富に流れるのでゲームの世界観をより一層彩っています。
前作のMOTHERに含まれるBGMがあちこちでアレンジして流れるなど、ファンサービスも旺盛です。
そして、音楽というよりも音になるのですが、サンプリング音も非常に注力?していて、ゲップの音や自転車のベルの音などこだわりがところどころに感じられます。
ストーリーでも8つの音符を集める冒険がメインとなり、いたるところが音楽というキーワードで固められているゲームです。
広大すぎる世界を冒険する設定
世界観がとにかくユニークでコミカルなシリーズですが、「MOTHER2 ギーグの逆襲」も例に漏れず徹底した作りがされています。
「MOTHER2 ギーグの逆襲」では、スケールが大きなものとなっていて、アメリカっぽいところが舞台なんていうこじんまりしたものではなく世界規模となっています。都会に異国に魔境に地底世界ととんでもないところを冒険しまくります。地底人としてあのどせいさんも登場するのは、多くの人に知れ渡っていることでもありますね。
トラウマ要素も兼ね備えた神ゲー
「MOTHER2 ギーグの逆襲」が神ゲーと言われるのにギャップというものがあります。
和やかな物語と思わせておいて、サイケデリックな展開をぶちかましてくるギャップが話題を呼びました。シュールで不条理、不気味な要素をあえて詰め込んでいて、ラスボスは指折りのトラウマシーンとして数えられるなど、なかなかのトラウマゲームです。
ユニークなゲームシステム
「MOTHER2 ギーグの逆襲」の代名詞ともなっているユニークですが、ゲームシステムでもふんだんに感じることができます。
バトル面では前作からの継承がほとんどでコマンド入力型の王道RPG。魔法の代わりとなる独特な超能力PSIによる多彩な戦闘要素などなど。
画期的なドラムロール方式によるバトル
そして「MOTHER2 ギーグの逆襲」で注目すべきはドラムロール式という要素。ダメージを食らうとHPがスロットのようにぐるぐる回る演出があり、HPが0になるまで行動が可能というなかなか画期的なもの。つまり相手から攻撃をくらい致命的でない場合以外は回復をせずに時間を稼ぐとか、こっちが倒れる前にすばやくコマンド入力して相手を倒すといった独特なゲームシステムとなっています。
シンボルエンカウント
「MOTHER2 ギーグの逆襲」は、レトロゲームながらシンボルエンカウント制を採用していて、ぶつかることでバトルが始まります。宇宙人やら毒されてしまった人や動物など様々な奴らが敵として襲ってくるわけですが、主人公たちのレベルが上ってくると戦闘すら始まらずにWINという文字だけで決着がつくという演出も用意されていて、ゲーム攻略が快適になる要素もありユーザビリティが考えられています。
状態異常が面白い
状態異常と言えば毒や麻痺といったものが一般的ですが、「MOTHER2 ギーグの逆襲」は一味違います。
ホームシックや日射病、気持ち悪い、変、キノコ、ゴースト、ダイヤモンドといった日常で起こる病気だけでなく理解に苦しむものまで様々です。
ホームシックなんかやけにリアルで、冒険をしている少年の心境をよく演出できているなと感じます。実家にいるママに電話をかけると解消されるというのもちょっとクスッとくるポイント。
キノコは頭にキノコが生えてしまうのですが、近くでキノコ狩りを楽しんでいる人に声をかけることで刈り取ってもらうことができます。さすがにユニークすぎる。
前作の弱点を克服し遊びやすいゲームへと進化
「MOTHER2 ギーグの逆襲」では、前作での問題点である多すぎるエンカウント、荒削りな戦闘バランス、ヒントが少なすぎる不親切なゲームシステムといったものが解消されていて、とても快適に遊べるゲームとなりました。
独特な世界観に完璧かつユニークなゲームシステムを兼ね備えた「MOTHER2 ギーグの逆襲」は、神ゲーと謳ってもおかしくない一作でしょう。多くの人にプレイしてもらいたい名作中の名作であります。
タイトル | MOTHER2 ギーグの逆襲 |
メーカー | 任天堂 |
対応機種 | スーパーファミコン |
ジャンル | RPG |
発売日 | 1994年8月27日 |
価格 | 9800円 |
プレイ人数 | 1人 |
画像引用元
[https://www.nintendo.co.jp/n08/a2uj/mother2/screen/index.html]
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