
勇気、友情、愛、きっと泣ける名作RPG
「MOTHER」と聞いて最も有名なのはMOTHER2ですが、初代となる「MOTHER」も名作RPGと保証できる仕上がりのゲームです。
何気に任天堂の初となるコマンド選択型のRPGで、現代風なアメリカを舞台に少年と仲間たちが、あちこちで起こるおかしな事件の真相を突き止めていくストーリーが展開されていきます。
世界観やセリフなどがかなり独特で、かなりポップでコミカルなRPGとなっています。
不可思議な失踪事件から始まるストーリー
1900年代の初頭、アメリカの田舎町・マザーズデイで、ひと組の夫婦が行方不明になった。
その後、2年程して夫のジョージだけが町に戻ってきた。しかしジョージは自らの身に起きたことについて一切語らず、不思議な研究に没頭し続けた。そして、妻のマリアが戻ってくる事はなかった。
時は流れ1988年、マザーズデイでは、ジョージとマリアを曽祖父母に持つ少年が暮らしていた。ある日、少年の家で突如、家具や人形がひとりでに動き出し少年に襲い掛かった。戦いの末に事態を収め少年が自宅の広間へ向かうと、単身赴任中の父親から電話がかかってきた。そこで少年が直前の出来事について話すと、父親は、その現象が曽祖父の研究と関係しているのではないかと語った。話を聞いた少年は身支度を整え、怪奇現象の謎を探るべく旅に出た。
ストーリーはかなりミステリアスで、超常現象を取り扱っている内容なので、XファイルなどのSFミステリーが好きな人には特におすすめ。
素晴らしきこの世界観!美しき音楽!
「MOTHER」の魅力は何と言っても徹底して作り込まれた世界観。当時は、近未来ものが多かったんですが、現代かつ映画スタンド・バイ・ミーのような雰囲気を組み込んだ異世界という世界観を表現しました。特に音楽に関しては非常に評価が高く、多くの人の心をつかみ名曲として語り継がれています。
武器はまったく暴力的な要素がなく、フライパンや野球バットといった日常にあふれているものとなっていて、全年齢をターゲットにしながらポップな世界を表現したいという細部へのこだわりを感じます。回復アイテムもパンやジュースといった食料品なのもたまりません。何気にパンを食べるとパンくずとして撒いてテレポートのような使い方ができるのも斬新。
また、死亡というキーワードも出てくることはなく、仲間が倒れると生死不明といった配慮もされています。ゲームだからと言って、簡単に生き死にを扱ってはいけないというのが見て取れますね。
「MOTHER」はファンタジーな世界ではないため、普通に街がありアイテムを買えるデパートや仕送りを受け取る銀行、体力回復できるホテル、状態異常を回復できる病院と現実味をかなり帯びています。この辺も斬新で、ゲームとはいえなかなかリアリティがあり大人はクスっときてしまう部分じゃないでしょうか。
一方、敵キャラクターはエイリアンや怪物などが多く登場しゲームらしさを感じることができます。しかし、一般人も主人公たちに襲いかかってきます。これはエイリアンなどから洗脳を受けて、おかしくなってしまった人たちで、困った行動をしたり乱暴をしたりするので倒して我に返しましょう。敵を倒した時も殺したなどの殺伐とした表現ではないところも徹底しています。
かなり異色なゲームシステムである
「MOTHER」をプレイすると普通のRPGとは違うゲームシステムだと多くの人が感じると思います。ドラクエなどの王道を行くRPGに慣れている人だと尚更感じやすいかなと。
特に特徴的なのがバトルの要となるPSIというシステムで、言うなれば魔法なのだが世界観に合わせた超能力のサイキックが由来となっている。豊富な属性攻撃、サポート効果、回復とバトルの戦略性をアップさせています。また、AUTOという自動で戦ってくれるコマンドも用意されています。
「MOTHER」は、ゲーム攻略の自由度の高さも魅力の1つで、イベントでフラグを立てなければ進むことができないといったものが少ないので、プレイヤーがマイペースにゲームを楽しむことができるのも名作と言われる所以。
名作ではあるが荒削りでもある
「MOTHER」はかなり斬新な切り口で作られたRPGですが、ゲームシステムなどがやや甘い作りになっているという問題点もあります。
特に、ヒントが少ないゲーム内容はゲーム攻略を行き詰まらせ迷子になる人が出ました。アイテムなども効果がわからないものも多く使うまでわからないという・・・。まぁ、前向きに考えるとわくわく感はありますね。
と、言うわけで「MOTHER」はユーザーにやや不親切な作りではありますが、斬新な試みがいくつもあり挑戦的な名作となっています。
タイトル | MOTHER |
メーカー | 任天堂 |
対応機種 | ファミコン |
ジャンル | RPG |
発売日 | 1989年7月27日 |
価格 | 6500円 |
プレイ人数 | 1人 |
画像引用元
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